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生成AI小説の始め方|おすすめツールと著作権・文学賞規定を解説
> 筆者紹介
株式会社Global Design Factory 代表取締役
高橋 遼
北海道大学工学部でAIによる自然言語処理を研究。P&Gにてビッグデータ解析・消費者分析を担当した後、伊良コーラのマーケティング責任者を経て、現在は株式会社Global Design Factory代表取締役として、中小企業を中心にAIを活用した業務効率化・自動化を支援。

「生成AIで小説を書いてみたいけれど、どのツールを選べばいいのか分からない」「著作権や文学賞のルールが心配」——そんな悩みを抱えていませんか。ChatGPTやNovelAIなど生成AIツールの進化により、小説執筆のハードルは大きく下がった一方、著作権や投稿サイトのルールは複雑さを増しています。本記事では、目的別のツール選びからプロット作成・本文生成・推敲までの実践的な4ステップ、さらに文化庁の著作権の考え方や2026年最新の文学賞・投稿サイトのAI利用規定まで、実務に直結する情報を網羅的に解説します。読み終える頃には、自分に合ったツールと安全な執筆の進め方が具体的にイメージできるはずです。
生成AIで小説を書くとはどういうことか
「生成AIで小説を書く」とは、ChatGPTやClaudeといった大規模言語モデル(LLM)、あるいはNovelAIやAIのべりすとのような小説特化型AIに対して、プロットやキャラクター設定、文体の指示(プロンプト)を与え、物語の一部または全体をAIに生成させる執筆スタイルを指します。作家がゼロから一文字ずつ書き上げる従来の執筆とは異なり、AIを「共同執筆者」あるいは「優秀なアシスタント」として位置づける点が特徴です。
ただし、生成AIに丸ごと小説を書かせて完成品がそのまま出てくるわけではありません。実際の現場では、人間が構成や方向性を決め、AIが生成した文章を取捨選択・加筆修正しながら完成させる「協働型」の執筆が主流です。まずは生成AIの得意・不得意を正しく理解し、期待値を調整しておくことが、生成AI小説で挫折しないための第一歩になります。
生成AIが得意なこと(アイデア出し・プロット構築・文体模倣)
生成AIが特に力を発揮するのは、以下のような執筆の「初期工程」です。
- アイデア出し・ブレインストーミング:テーマやジャンルを指定するだけで、短時間に複数の物語の種を提案してくれます。人間だと発想しにくい意外な設定の組み合わせも得意です。
- プロット構築:起承転結や三幕構成などの型に沿って、あらすじやシーン展開を素早く整理できます。行き詰まったときの壁打ち相手として有効です。
- 文体模倣・言い換え:「硬派なハードボイルド調で」「ライトノベル風に」といった指示に応じて、文体のトーンを変化させることができます。同じシーンを複数の文体で書き比べる用途にも向いています。
- キャラクターの台詞案・設定の肉付け:性格や口調を指定すれば、キャラクターらしい発言や背景エピソードの候補を大量に出力できます。
生成AIが苦手なこと(長編の一貫性・独自性・伏線管理)
一方で、生成AIには構造的な弱点もあります。
- 長編での一貫性維持:LLMは一度に処理できる情報量(コンテキスト)に限界があるため、数万字を超える長編になると、キャラクターの設定や過去の展開との矛盾が生じやすくなります。
- 伏線の管理:序盤に張った伏線を終盤で正確に回収するといった、物語全体を俯瞰した設計は苦手です。人間による進行管理が欠かせません。
- 独自性・作家性:生成AIの出力は既存の学習データの傾向に引っ張られやすく、そのまま使うと既視感のある展開や表現になりがちです。作品としての個性は、人間による取捨選択と加筆で作り込む必要があります。
こうした特性を踏まえると、生成AIは「小説を代筆させる道具」ではなく、「執筆プロセスを加速させるパートナー」と捉えるのが実態に近いと言えます。
生成AIで小説を書くメリットと知っておきたいデメリット
生成AIを執筆に取り入れるかどうかを判断するには、良い面と注意すべき面の両方を把握しておくことが欠かせません。ここでは実際に創作の現場でよく挙がるポイントを整理します。
メリット|執筆時間の短縮とアイデアの拡張
生成AIを使う最大の利点は、執筆にかかる時間と労力を大きく圧縮できる点です。
- アイデア出しの高速化:プロットや設定に行き詰まったとき、AIに壁打ち相手になってもらえば、短時間で複数の展開案を得られます。
- 執筆速度の向上:会話文や情景描写の下書きをAIに任せ、人間は構成やクオリティチェックに集中する分業が可能です。
- 表現の引き出しが増える:普段自分では使わない語彙や比喩をAIが提案してくれることで、文体のマンネリ化を防げます。
- 専門知識の補助:時代考証や専門用語の説明など、調べ物に時間がかかる作業を効率化できます。
特に「本業や学業と両立しながら創作を続けたい」という兼業作家にとって、時間短縮効果は大きなメリットといえます。
デメリット|作風の均一化とAIらしさが残る問題
一方で、生成AIへの依存度が高まるほど顕在化する課題もあります。
- 文章のリズムが均一になりやすい:AI生成文は論理が整いすぎる一方で、感情の起伏や文のテンポにばらつきが出にくく、「無機質」「モノクロな印象」と評されることがあります。
- 抽象語や定型フレーズの多用:具体的な描写よりも万能語・比喩の量産に頼りがちで、読者に既視感を与えやすくなります。
- 作風の没個性化:複数の作家が同じツールで似たプロンプトを使うと、結果として似通った作風の作品が増える懸念があります。
- AI検出ツールによる指摘リスク:GPTZeroなどのAI文章判定ツールは実用場面での精度が7〜9割程度とされ、完璧ではないものの「AIらしさ」を見抜かれる可能性はゼロではありません。
こうした特性を理解したうえで、AIはあくまで下書きや壁打ちの補助として使い、最終的な文体や感情表現は人間が手を入れて仕上げる、という向き合い方が現実的です。
【2026年最新】小説執筆におすすめの生成AIツール比較
一口に「生成AIで小説を書く」といっても、ツールによって得意分野は大きく異なります。汎用チャットAIか、小説特化型か、海外発の執筆支援ツールか——目的に応じて選び方を変えることが、遠回りをしないコツです。
| ツール | タイプ | 月額目安 | 得意なこと |
|---|---|---|---|
| ChatGPT | 汎用LLM | 無料〜3,000円程度 | プロット構成、対話的なブレスト |
| Claude | 汎用LLM | 無料〜3,000円程度 | 長文の一貫執筆、文体維持 |
| NovelAI | 小説特化 | 10〜25ドル | 世界観・文体の維持、続きの自動生成 |
| AIのべりすと | 小説特化 | 無料〜1,000円台〜 | 日本語の自然な文章、シード文からの発想 |
| Sudowrite | 海外製執筆支援 | 10〜22ドル程度 | シーン拡張、キャラクター開発、推敲支援 |
ChatGPT・Claude|汎用LLMで構成力と対話力を活かす
ChatGPTとClaudeは小説専用ツールではありませんが、対話を重ねながらプロットを練り上げる用途で高い実力を発揮します。両者とも2026年時点で最大級のコンテキストウィンドウを備えたモデルが提供されており、長編の設定やこれまでの展開を踏まえた執筆がしやすくなっています。傾向としては、ChatGPTはテンポの良い対話とアイデアの引き出しに強く、プロットのたたき台作りに向いています。一方Claudeは長文の一貫執筆や文体の維持を得意とする評価が多く、本文をまとまった分量で書き進めたい場面に適しています。どちらも無料枠から試せるため、まずは両方でプロットを出させて比較してみるのがおすすめです。
NovelAI・AIのべりすと|小説特化型で世界観と文体を維持
NovelAIとAIのべりすとは、小説を書くこと自体を目的に設計されたサービスです。NovelAIは有料プランで扱えるコンテキスト(AIが記憶できる文章量)が段階的に拡大する仕組みで、月10〜25ドル程度のプラン差はこの記憶容量やモデル性能の違いに直結します。長編で伏線や設定を維持したい場合は、上位プランの検討価値があります。AIのべりすとは日本語処理に強みを持つ国産ツールで、無料プランでも試せますが、月1,000円前後からの有料プランに上げることで専用サーバーによる出力の安定化や記憶できる文章量の拡大が期待できます。シードとなる書き出し文を与えると、そこから自然に物語を紡いでくれる感覚が特徴です。
Sudowrite等|海外発の作家向け執筆支援ツール
Sudowriteは、プロ・アマ問わず英語圏の作家に支持されている執筆支援ツールです。文章をゼロから生成するというより、書きかけのシーンを「拡張」したり、キャラクターの内面を分析したり、行き詰まった展開に複数の続き案を提示したりする、伴走型の機能が中心です。料金はクレジット制のプランが多く、月10ドル前後の入門プランから、長編制作向けの上位プランまで用意されています。日本語対応は発展途上のため、英語で執筆する読者や、翻訳前提でアイデア出しに使いたい読者に向いています。
目的別の選び方(アイデア出し・本文生成・文体模倣)
ツール選びに迷ったら、次の3つの目的軸で考えると判断しやすくなります。
- アイデア出し・プロット構成をしたい:ChatGPTやClaudeとの対話が効率的です。設定やキャラクターの矛盾点を指摘してもらいながら練り上げられます。
- 本文をまとまった量で生成したい:NovelAIやAIのべりすとなど小説特化型が向いています。文脈の記憶力が高いプランほど、長編での破綻が少なくなります。
- 既存の文体を模倣・維持したい:ClaudeやSudowriteのように、参考文章を読み込ませてトーンを合わせる運用がしやすいツールが有利です。
複数ツールを併用し、プロットは汎用LLM、本文は特化型で生成するといった使い分けも、実際の創作現場では一般的になりつつあります。
生成AIで小説を書く4ステップとプロンプト実践例
生成AIを使った小説執筆は、いきなり「小説を書いて」と丸投げしても、あらすじだけの薄い文章や、途中で設定が崩れる文章になりがちです。前章で紹介したツールの力を引き出すには、プロットづくりから推敲まで工程を分割し、各段階で適切なプロンプトを与えることが重要です。ここでは実際に手を動かせるよう、4つのステップとプロンプト例を具体的に紹介します。
ステップ1|プロットとあらすじを作る
最初のステップは、物語の骨格となるプロットとあらすじの作成です。ChatGPTやClaudeのような対話型AIは、断片的なアイデアを整理して構成案に落とし込む作業を得意としています。
プロンプトを作るときは、以下の要素を具体的に指定すると精度が上がります。
- ジャンル(ファンタジー、ミステリー、恋愛など)
- 舞台設定と時代背景
- 主人公の目的と障害
- 想定する文字数・話数
プロンプト例 「異世界転生ものの短編小説のプロットを考えてください。主人公は現代日本の会社員で、事故死して魔法のない中世風世界に転生します。特殊能力は持たせず、知識と交渉力だけで成り上がる物語にしたいです。起承転結の4部構成で、それぞれ2〜3行の概要を出してください。」
このように条件を絞ることで、AIは的外れな展開を提案しにくくなります。出力されたプロットは一度で完成させず、「起の部分をもっと衝撃的にして」「転の伏線を1つ追加して」のように対話を重ねてブラッシュアップしていくのがコツです。
ステップ2|キャラクター設定を深掘りする
プロットが固まったら、次は登場人物の解像度を上げる工程です。生成AIは名前や性格の候補出しだけでなく、口調・価値観・過去のトラウマといった内面設定を掘り下げる壁打ち相手としても活用できます。
プロンプト例 「先ほどのプロットの主人公について、以下の項目を設定してください。①口癖と一人称、②長所と短所、③物語開始時点でのトラウマ、④物語を通じて変化する価値観。設定同士に矛盾がないようにしてください。」
複数の登場人物を作る場合は、関係性表(誰が誰に対してどんな感情を持つか)を先に作らせてから個別設定に進むと、後の本文生成で人間関係のブレを防げます。
ステップ3|本文を章ごとに生成する
いよいよ本文執筆ですが、長編を一気に生成させるのは避けるべきです。生成AIは文脈の記憶できる範囲(コンテキスト長)に制限があり、一度に長く書かせるほど設定の矛盾や文体のブレが起こりやすくなります。章単位、あるいは1シーンずつ区切って生成するのが基本です。
プロンプト例 「第1章を書いてください。主人公が異世界で目覚め、村人に保護されるまでのシーンです。三人称視点、文体は落ち着いた静かなトーンで、2,000字程度でお願いします。会話文を多めにして、主人公の戸惑いが伝わるようにしてください。」
NovelAIやSudowriteのように地の文の続きを補完するタイプのツールを使う場合は、直前の文章をしっかり読み込ませたうえで続きを生成させると、文体の一貫性が保たれやすくなります。
ステップ4|AIでリライト・推敲する
本文が仕上がったら、AIに推敲役を任せる工程です。誤字脱字のチェックだけでなく、冗長な表現の削減、語尾の重複解消、文字数の調整など、人間が見落としがちな細部の修正に生成AIは適しています。
プロンプト例 「以下の文章を、意味を変えずにテンポよく読めるように推敲してください。同じ語尾が3文以上続いている場合は言い換え、比喩表現を1つ追加してください。」
ただし推敲を丸投げすると、自分らしい文体まで均一化されてしまう恐れがあります。修正案はそのまま採用せず、「自分ならこう書くか」を基準に取捨選択する姿勢が、AI協働執筆で作品の個性を保つポイントです。
生成AI小説と著作権|文化庁の考え方を整理する
生成AIで小説を書くとき、多くの人が気になるのが著作権の扱いです。ここでは感覚論ではなく、文化庁が2024年3月に公表した「AIと著作権に関する考え方について」をベースに、実務上の判断軸を整理します。
AI生成物は著作物になるのか
文化庁の整理では、AIが自律的に生成しただけの文章は著作物に該当しないとされています。一方で、人が「創作意図」を持ち、プロットの詳細な指示や生成後の大幅な加筆・修正といった「創作的寄与」を行った場合は、その部分について著作物性が認められ得るとしています。つまり、次のように線引きされます。
- ワンプロンプトでそのまま生成した文章 → 著作物と認められにくい
- 詳細な設定・展開を指示し、繰り返し推敲・修正を加えた文章 → 創作的寄与ありと評価される可能性がある
小説投稿や出版を前提にするなら、AI出力をそのまま使うのではなく、自分の言葉で書き直す工程を挟むことが重要です。
学習段階と生成・利用段階で異なるリスク
文化庁の考え方では、AIと著作権の論点を「開発・学習段階」と「生成・利用段階」に分けて検討する必要があるとされています。学習段階では著作権法第30条の4により、既存の小説を学習データとして利用すること自体は原則として認められています。一方、生成・利用段階では話が別です。生成された文章が既存の著作物と「類似性」を持ち、かつAI利用者がその著作物の存在を認識していたなどの「依拠性」が認められる場合、著作権侵害になり得るとされています。有名作品の文体や設定を強く意識してプロンプトを書いた場合は、この依拠性が問題になりやすい点に注意が必要です。
商用利用・二次創作で注意すべき点
書籍化や有料note、投稿サイトでの収益化など商用利用を考える場合は、生成物が既存作品と酷似していないかを自分の目でチェックする姿勢が欠かせません。二次創作についても、原作の著作権・利用規約が生成AI経由であっても免除されるわけではなく、通常の二次創作と同様の許諾関係が前提になります。ツール側の利用規約で商用利用の可否や生成物の権利帰属が定められているケースも多いため、契約条件の確認も忘れないようにしましょう。
文学賞・投稿サイトの生成AI利用ルールはどう変わったか
生成AIで書いた小説を文学賞に応募したり、投稿サイトで公開したりする際に気になるのが「ルール違反にならないか」という点です。実はこの2年ほどで、文学賞・投稿サイトのAI規定は大きく整備が進みました。ここでは最新の動向を整理します。
芥川賞『東京都同情塔』が投げかけた論点
2024年1月、第170回芥川賞を受賞した九段理江氏の『東京都同情塔』は、受賞会見での「全体の5%くらいは生成AIの文章をそのまま使っている」という発言で大きな話題を呼びました。作中にAIが登場する設定と関連づけ、意図的にAI生成の文章を用いた箇所があるという趣旨の説明でしたが、この一件は文学賞の世界に「AI利用をどう申告し、どこまでを許容範囲とするか」という実務的な問いを突きつけました。
芥川賞自体にAI使用に関する明文規定はありませんが、この事例をきっかけに、多くの新人賞・公募賞がAI利用の申告ルールを整備する流れが加速したといえます。
主要文学賞のAI規定に見る3つのタイプ
現在の主要文学賞のAI規定は、大きく3つのタイプに分かれています。
- 申告制(補助的利用は可、使用方法の開示が必須):江戸川乱歩賞は「創作に際しAIを補助的に利用した作品(プロット作成や文章表現の支援など)については、応募原稿の冒頭にどのようにAIを用いたかについて記載」を求めています。小説すばる新人賞も、AIを部分的に使用した場合はWEB応募フォームの備考欄に使用方法を記載するルールです。
- 補助的利用OK・範囲を厳格に限定:電撃小説大賞は新たにAI利用ガイドラインを設け、許容されるのは「誤字脱字のチェック」「表現の整え」「アイデア出し」など補助的な範囲のみと明記しました。本文や構成の主要部分をAIが生成した場合は対象外となり、利用時は申告が必須です。
- 全面禁止:講談社と共催のエブリスタ「青い鳥文庫小説賞」のように、コンテストによっては「生成AIを使用して本文を書くことは、原則として認めません」と明言するケースもあります。星新一賞も著作権侵害に該当する生成AIの使用を禁止し、最終候補作品はAI使用の有無を選考委員会が確認する運用です。
応募規定にAIについて記載がない賞も少なくありませんが、記載がないからといって無制限に使ってよいわけではなく、最終候補の段階で確認が入るケースも報告されています。応募前には必ず最新の応募要項を確認することが欠かせません。
カクヨム・小説家になろうなど投稿サイトでの扱い
投稿サイトのスタンスも、この1年でくっきり分かれてきました。
- カクヨムは全編AI生成でも投稿自体は禁止していませんが、本文利用の度合いに応じた3種のタグ付けを推奨しています。義務ではなく、タグを付けてもランキング等で不利にはならないと明言される一方、コンテスト応募時はタグ付けが必須です。
- 小説家になろうは2026年6月9日から、AI利用状況を「直接使用」「間接利用」「補助的利用」「不使用」の4区分から選ぶ設定を義務化しました。全文AI生成の投稿は禁止ですが、部分的な利用であれば申告のうえ投稿を続けられる「開示義務化」路線です。虚偽申告のまま商業化が進んだ場合、投稿者側が賠償リスクを負う可能性がある点も明記されています。
- アルファポリスは2025年11月、AI生成作品でのコンテスト参加・出版申請を全面禁止しました。背景には、同年開催のコンテストで大賞を受賞した作品がAI生成と判明し、書籍化が取りやめになった事案があります。
同じ「AI利用」でも、サイトによって「開示すれば投稿継続OK」なのか「商業ルートは一切不可」なのかが大きく異なります。複数サイトに投稿する場合は、サイトごとにルールを確認する姿勢が欠かせません。
生成AIで小説を書くときに気をつけたいNG行動
生成AIは強力な執筆パートナーですが、使い方を誤るとトラブルに直結します。ここでは特にやってしまいがちなNG行動を整理します。
生成結果をノーチェックのまま投稿する 生成AIは既存作品の文体やプロットの「型」を学習しているため、意図せず似た表現が出力されることがあります。文化庁も、既存の著作物との類似性・依拠性が認められれば著作権侵害となるおそれがあると整理しています。生成された文章は必ず自分の目で読み、既存の有名作品と似すぎていないかを確認してから公開するようにしましょう。
実在の作家名や作品名を指定して文体模倣を依頼する 「〇〇風の文体で」といったプロンプトは表現の幅を広げる一方、既存作品への依拠性を高めるリスクがあります。作風の傾向を抽象的に指示するにとどめ、固有名詞での模倣依頼は避けるのが無難です。
申告義務のある賞・サイトでAI利用を隠す 前述の通り、多くの文学賞や投稿サイトはAI利用の開示・申告を求めるようになっています。バレないだろうという判断で無申告のまま応募・投稿すると、後から発覚した際に受賞取り消しやアカウント停止といった重い処分につながりかねません。
未公開の他者の原稿や個人情報をプロンプトに入力する 共同創作中の原稿や第三者の個人情報をそのまま生成AIに入力するのは、意図せぬ情報漏えいや権利侵害の原因になります。学習データとして外部に利用される可能性があるツールも多いため、入力する情報は自分が権利を持つものに限定しましょう。
創作的関与を説明できない状態で応募する どのプロンプトを使い、どこを自分で手直ししたかを記録しておかないと、著作物性や創作的寄与を問われた際に説明ができません。特に賞への応募を考えている場合は、執筆過程のメモを残しておくと安心です。
これらのNG行動に共通するのは、「AIが出したから大丈夫」という思い込みです。生成AIはあくまで補助であり、最終的な確認と判断の責任は書き手自身にあることを忘れないようにしましょう。
まとめ
生成AIは小説執筆において、アイデア出しやプロット構築、文体模倣などの初期工程を強力に加速させる一方、長編の一貫性維持や独自性の担保は人間の役割として残ります。ツールは目的に応じて、プロット作りにはChatGPTやClaude、本文生成にはNovelAIやAIのべりすとといった小説特化型を使い分けるのが実践的です。著作権については、AI出力をそのまま使うのではなく創作的寄与を加えることが重要であり、文学賞や投稿サイトごとに申告制・補助的利用OK・全面禁止と対応が分かれている点にも注意が必要です。まずは自分の目的に合うツールを1つ選び、プロットづくりから小さく試してみることが、生成AI小説を安全かつ楽しく続ける第一歩になります。



