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「生成AIを活用できる業務領域の見つけ方|社内で実践する4つのステップ」

代表取締役 高橋 遼

代表取締役

高橋 遼


生成AI導入の第一歩:「どの業務で使うか」の選定

業務効率化や新規事業の創出に向けて、生成AIの活用に関心を持つ企業が急速に増えています。しかし、「生成AIを導入したいが、具体的に自社のどの業務に使えば効果的かわからない」という悩みを抱える企業も少なくありません。

生成AIは強力なツールですが、適用する業務領域を誤ると十分な効果が得られない可能性があります。社内で最適な業務領域を見つけるためには、適切な手順を踏んだアプローチが必要です。本記事では、社内で生成AIを活用できる業務領域を特定するための具体的なステップを解説します。


1. 現行業務の可視化と「課題」の抽出

最初に行うべきは、社内の既存業務を可視化し、時間がかかっている作業や非効率なプロセスを洗い出すことです。

まずは以下のような業務を中心にチェックを行うと、生成AIを活用できる領域が見つかりやすくなります。

  • テキスト作成・編集業務: メール文面、提案書、プレスリリース、報告書などの作成
  • 情報収集・要約業務: 長文のレポートや論文の読み込み、会議の録音データからの議事録作成
  • データ分析・整理: 大量のデータからの傾向把握、データの分類・タグ付け
  • 問い合わせ対応: 社内Q&Aや顧客からの初期問い合わせへの返答
  • クリエイティブ作成: アイデア出し、画像作成、プログラムコードの記述

これらの業務の中で、**「作業頻度が高いもの」「属人化しているもの」「ボトルネックになっているもの」**を優先的にリストアップします。


2. 現場の声を吸い上げる仕組みづくり

業務領域を見つける際、経営陣やIT部門だけで判断するのではなく、現場の社員を巻き込むことが成功の鍵です。現場の社員こそが、日々のアナログな作業や「もっと効率化したい」と感じている課題を一番よく理解しているためです。

社内で現場の声を集めるには、以下のような手法が有効です。

  • 社内アンケートの実施: 「毎日・毎週繰り返している作業は何か」「時間がかかっている事務作業は何か」といった具体的な質問を設定します。
  • ワークショップ・アイデアソンの開催: 生成AIでできることを簡単にレクチャーした上で、「自分の業務のどこに使えそうか」をグループで話し合う機会を設けます。
  • ヒアリングの実施: 各部署のキーマンにインタビューを行い、部門ごとの特有の課題を深掘りします。

3. 生成AIの特性と業務のマッチング・評価

集まった課題や業務に対して、生成AIの得意分野を照らし合わせていきます。

生成AIの活用領域を整理する際は、**「実現可能性(難易度)」「期待される効果(インパクト)」**の2つの軸で評価し、マトリクス化して優先順位をつけることが推奨されます。

  • 即効性が高い領域(難易度:低 / 効果:高)
    • 例:文章の要約、メールの返信文作成、社内文章の校正など
    • 対応: まずはこの領域から着手し、成功体験を作ることが重要です。
  • 中長期で取り組む領域(難易度:高 / 効果:高)
    • 例:自社データと連携した高度な社内検索システムの構築、業務自動化パイプラインの構築など
    • 対応: システム開発やセキュリティ検証が必要になるため、計画的に推進します。

4. 推進体制の構築と「スモールスタート」

活用領域の候補が決まったら、全社展開を急がず、特定の部署やプロジェクトで小規模に検証(PoC)を行いましょう。

スモールスタートを成功させるためのポイントは以下の通りです。

  • 横断的なプロジェクトチームの結成: 現場の業務担当者、IT/システム部門、セキュリティ・法務部門が連携する体制を作ります。
  • 定量的な効果測定: 「作業時間が〇〇時間削減できた」「作成速度が〇倍になった」など、客観的な数値で効果を検証します。
  • ガイドラインの策定: 入力してはいけない情報(個人情報や機密情報など)のルールを明確にし、安心して使える環境を整えます。

まとめ:社内コミュニケーションから始める生成AI活用

生成AIを活用できる業務領域を見つけるためには、ツールそのものの性能を調べるだけでなく、自社の業務プロセスと向き合い、現場の声を拾い上げることが何よりの近道です。

まずは自社の「ボトルネックになっている作業」を可視化し、小さな成功体験を積み重ねながら、徐々に活用範囲を広げていきましょう。社内での対話と試行錯誤を重ねることが、AI時代における企業の競争力強化につながります。